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2011年5月の記事

バックハンドの正しい運用






Fan03


バックハンドはスポーツの中でもっとも奇妙な部類に入る打球法であろう。なぜなら打球方向に背を向けて打つためだ。体よりバックライン側に進む球は、フォアでは体の構造上不可能だが、バックハンドなら手の甲を思いっきり立てることで返球が可能だ。フォアとバックの打球原理の違いを知らない人からみれば、「なぜその球が返せるの?」と奇妙がられる。それゆえバックハンドを打てる人は、打てない人にとって尊敬の対象とすらなる。


中でもインドネシア選手タウフィック・ヒダヤットのバックハンド技術は芸術的で、当サイトでもたびたび紹介している。そしてもう一人バックハンドを巧に操る選手が中国の陳宏だ。今日は陳宏のバックハンド運用法を通じて、バックハンドのバリエーションを分析する。


Lin Dan Vs Chen Hong AE 2005 MS Final (6/8)


Fan01
高く浮いた返球を前に落とすのではなく、クロスに落す方法。面の使い方が非常に繊細で見ていて気持ちがいい。オープンスペースに的確に落す意識が次のチャンスに結びつく。


Fan02
高い打点で捕らえることでドリブン気味に返す方法。ジャンプしながらのバックハンドは右足を踏み込む反動力を得られないので、手首の外旋回によるスイングのみがシャトルの推進力となる。


Fan03
スライス気味のドロップ(ストレート)。中央付近からの打球でもしっかりサイドライン際を狙えることで、相手のチャンスにはなりにくい


Fan04
バックハンドクロスドロップ。面をコントロールすることでストレートかクロスかを使い分ける。手首の柔軟さとグリップの持ち替え(もしくはスイング時に手の中で転がす)がポイント。


Fan06
陳宏の妙技


Fan05
プッシュが決まらず、カウンターをつかれたときの繋ぎバックハンド。要求は2つ。奥まで高く。


Fan07
バックハンドプッシュ。打球寸前までどこに打つかを読ませないフェイク技。


Zhadongzuo
ついでにおまけ。リンダンのレシーブフェイク。


以上。


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◇ 内旋回と外旋回のおさらい

◇ 【ケースNo1】 陳宏(中国, 身長1.82cm, 72kg) のフットワーク

◇ 専家把脉動画の解剖 その2 (バックステップフォア/バックハンドの打ち方とステップ)

【専家把脉25】ダブルスで重要な3つの意識 ドライブ/サーブ/攻守の転換






19_shuangdapeihe


icon 専家把脉25解説

さて今回は第25回目の動画解説を行う。コーチは元世界チャンピオン、中国では四天王と呼ばれる趙剣華。そして迷える生徒は趙剣華と閔さんと王さん。普段からダブルスを好んで打つという二人。それに対して趙剣華は「私はシングルスで活躍していたけど、ダブルスも少しはできる。わずかばかりの知識だけど力になれるといい」と控えめに伝える。


央視羽毛球専家把脈 第25話


(動画0:44ごろ)
いつものとおりまず生徒に打たせてそれをじっくり観察する趙剣華。


(1:02ごろ)
その後講評に移る。まず二人はお互いに得意な部分が何かを理解しており、最高の球を打ち出せるような意識があるという。ただし二人とも共通して悪い点もあるという。それは後衛での連続性に欠けているため、1打2打と続くと次第に相手に主導権を握られてしまう点だ。


icon ダブルスで重要なポイント 主導権奪取

趙剣華がいうダブルスの重要なポイントとは、如何に相手から主導権を奪い有利にゲームを展開するかだという。そのためには攻と守の切り替え、ドライブに競り勝ち相手にロブを上げさせる、前衛のプレッシャー、そしてサーブ・レシーブを確実に処理することが必要となってくる。特にレシーブをうまく処理できれば即時主導権を握ることができる(そのためポイントをとったチームがサービス権を得る)。


icon ドライブで主導権をとる

01_choudang_faqiu
上の画像一つ目のシーンはサーブと同時にドライブの応酬。地面と平行にネットすれすれの高さをシャトルが行きかう。そのシャトルに対応するにはどっしりと腰を落とし頭上でライジング気味にコンパクトにラケットを振っているのがわかる。ドライブ合戦の勝者となるにはネットを越えてもまだ上昇する球を相手に打たせ、その球を相手の胸より下に強く返すことだ。そうすれば相手はロブを上げるしか手がない。

もう1つのシーンは、サーブの質が悪く(ネットを越えてもまだ上昇する)レシーバーにプッシュされ主導権を握られる場面。


生徒はサーブに攻撃性がないからだと反論するが、趙剣華は一蹴する。「つまりあなたのサーブはへたくそだからだ。もしサーブの質がよければレシーバーの返球は必ず上向きとなる。地面と平行でもまだサーバー有利だ。」


さらに続ける趙剣華。「あなたたちにドライブには力がこもっていない。いつも相手のドライブに当てるのが精一杯で、最後は返球が甘くなり相手に打たれてしまう。」と厳しい指摘をする。「ドライブを制すればゲームを制する」 ドライブは攻撃に転じる起点となることを理解するべきである。


(2:35ごろ)
さっそくドライブ実技指導に入る。

02_choudan_xuesheng
生徒のドライブは当てるのが精一杯の様子。最後は胸元に落ちるドライブを打たれゲームオーバー


まず2つ指摘をする。ドライブの構え方は両足を揃えること。そしてドライブには1球1球に状態があることを知る必要がある。いいドライブならどんどんネットにつめ、逆に悪いドライブを返せば相手につめられる。


03_choudang
黄色いユニフォーム選手に注目。いいドライブ(下に向かう)を速く打てたとわかったら、どんどんネットにつめていくのがわかる。味方は後ろに回りロブがあがるのを待つ。このようにダブルスでは常に攻守によりフォーメーションが変化していく。


04_choudang_zjh
趙剣華のドライブ

05_choudang
趙剣華のドライブ その2

ドライブでの注意事項はラケットを振り切らないこと。ガットの弾力性を発揮させるよう弾くようにコンパクトに振る。そして手を前に突き出して、常に体の前で処理すること。ひとたび体に近い位置で返球を強いられたらその時点で負けだ(緊急避難としてネットに落とすかロブに切り替える)。生徒の返球位置と趙剣華の位置を比べるとわかる。


そして常に判断する。自分のドライブがよければどんどん前につめ、最後はスマッシュのような鋭さで叩きたい。


06_choudang


icon ショートサービスで主導権奪取


(6:10ごろ)
サーブの指導が始まる。

11_luodian
ショートサービスで狙う3つの落下点を指示する趙剣華。この3点に的確に落とせる必要があるという

ショートサービスの要求は、「ネットを越えるときのシャトルの向き」である。ネットを越える時点で下向きに進むサーブが理想だ。その場合レシーバーは上向きにしか返せない。逆にネットを越えてもなお上に進むサーブは悪い。相手へのトスと同じで、サーブ早々相手に主導権をとられる。


ショートサーブを打つうえで、どこに打つと相手がフォアで返せるか考える必要がある。なぜならレシーバーの構えはフォアハンドが一番打ちやすいからだ。逆に難しいのはバック側だ。

12_faqiu_shun
この図を見るとわかるとおり、サーブが趙剣華のフォア側に飛んでおり、容易く処理されてしまった。


14_faqiubudaowei
この図ではドライブサーブでレシーバーの不意を付くことを試みる。しかしいくら速いサーブでも相手のフォアに向かっていけば意味がない。またサーブの質も悪い。


15_pingfaqiu
今度はレシーバーのバック側にドライブサーブを狙う。不意を付くには十分な質のサーブだったが、レシーバーがその球を想定してたのでライジングで返される。


通常ドライブサーブは試合の中で多用は禁物だ。


13_guding
続けてサービス指導を受ける生徒。趙剣華に「もっと短く!」といわれると精神的にプレッシャーがかかりサーブが安定しない。サービスは常にレシーバーとの駆け引きでプレッシャーを受けない精神力とサーブ能力が必要だ。この生徒の場合、サーブを急いでしまうくせがあり、趙剣華は一度サーブの形を作り一息いれることをアドバイスした。


16_fachangqiu
続いてロングサービス。ショートサービスの場合、サーバーが前衛を守ることになるが、ロングサービスでは上記図のように二人で並ぶフォーメーションにすばやく切り替える必要がある。ロングサービスは相手の頭上を越える球で、スマッシュを打たれる危険性が高いためだ。それでもロングを打つのはショートの品質があってこそ効果がある。(ショートに自信がないからロングばかり打つようでは駄目)


icon 攻撃に転じるタイミング

ダブルスのフォーメーションは大雑把に分類すれば1つは左右にわかれる防御。前後に分かれる攻撃。それではどのタイミングでフォーメーションを転換するか? それは相手が攻撃をすると判断すれば左右に、攻撃に移ると判断すれば前後となる。


18_shuangdapeihe
手前の選手に注目。相手のジャンピングスマッシュを左右に分かれ防御。レシーブをスマッシュした選手前に小さく落とせたため、すぐ前につめ前後フォーメーションに。相手のロブをスマッシュし、甘くあがったレシーブを前衛が叩く。理想的な攻撃パターンだ。


19_shuangdapeihe
ドライブからネットに小さく落としたと同時に攻撃フォーメーションへ転換。後衛に回った選手が相手のロブをスマッシュする。


つまるところダブルスでは如何に相手にロブをあげさせるかにかかっている。受身であるレシーブからゲームを作っていくスタイルもあるだろうが、高いレベルでは通用しないだろう。


20_zhuanhuan
もうひとつの防御から攻撃への転換。スマッシュをただ大きくレシーブするのではなくオープンスペースであるクロス側に小さく返す。前衛選手が左右どちらかに寄っている場合、その反対がオープンスペースとなる。


21_zhuanhuan
防御からの攻撃転換その2。相手の高く浮いたスマッシュをネット前に小さく落とす。これは比較的に簡単。


以上。


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◇ バドミントン講習動画の前半目次

◇ 【専家把脉27】体力を温存できるステップ、バックハンドプッシュ技術

◇ 専家把脉動画の解剖 (15)(全方位のフットワーク入門/ホームポジションでの構え方)

バドミントン簡易スキルチェックシート ~ あなたのバドミントンレベルは何級?






バドミントンをもっと上達したい、苦手な部分を克服したい欲求をかなえるには自らの技術がいったいどれくらいなのかを客観的に知る必要がある。それでは


バドミントン技術を定量的に測る場合、どうすればいいだろうか?


試合に出て実力を試してみるのもいいし、反復練習ですべての打球バリエーションを決められた回数打ち、出来た回数をカウントするのも手だろう。前者は相対的なスキルはわかるが定量的とはいい難い。後者は項目が細かすぎる上に、数値として見えない部分(たとえば追い詰められた場合や、戦術、経験など)が反映されない。


そこで、少ないチェック項目ですばやくスキルを測れるようなスキルチェックシートを作ってみた。項目数は12で、最高が1級、最低が9級となっている。


セルフチェックシート

1.グリップ(握り方)と打球の基礎技術
a. 正確なグリップと打球技術を十分に把握しており、理想の打球点で打球することに気をつかっている。
b. 書籍などでどのようにグリップと打球法が描かれているかを知っており、なんとなく実践できる。
c. 何が正確なグリップと打球技術かわからないが、あまり気にかけず、気の赴くままに打球する。

2.フォアハンドのパワー
a. 対角から対角にクロスクリアを打つことができる。
b. バックラインから打っても相手コートの中盤までしか飛ばせない
c. バックラインから打ってもネットを越えるくらい。

3.サーブの技術
a. サーブ動作は一貫して同じで、ネットすれすれを越え、相手コートの四隅に自在に狙える。
b. サーブ技術の大切さを感じ始め、相手ポジションから狙うポイントを定めることができる。
c. サーブを重んじない、ショートサーブは高く長くなりがちで、ロングサーブも遅く短い、サーブの構えからすでに意図が相手にばれる

4.フットワークの基本
a. 各種フットワークをよく把握しコート上で運用できる。
b. 基本的なステップを知っており、打球時にステップできる。
c. ステップを重視せず、遠いシャトルは傍観するだけ

5.打球時のヒット音
a. 乾いた音を容易に響き渡せることができる。
b. 乾いた音をがんばったら響き渡せることができる。
c. どんなにやっても乾いた音がでない。

6.バックハンド技術
a. バックハンドを自在に操り、クリア、ドロップ、スマッシュを繰り出すことができる。
b. バックハンドを打てるが、基本的にバックラインまで届かない。
c. バックハンドではネットに落とすしかできない。

7.ネットを狙うときの球の高さについて
a. 常にネットすれすれで越える。
b. 時々高く上がってしまい、相手にたたかれる。
c. ネットから50cm以上あがってしまい、常に相手にたたかれる。

8.ラインオーバーの判断能力
a. 際どいシャトルの判断を正確にできる。
b. 明らかなアウト球だけ判断できる。
c. 明らかなアウト球でも手を出してしまう。

9.打ち方のバリエーションと落下点のコントロール
a. バリエーション豊かな打球ができ、運用できる。打球落下点を相手の立ち居地によって変えることができ、四隅にも落とせる。
b. 打球のバリエーションを知っており、練習中。打球の落下点コントロールも練習中。
c. 打ち方はいつも同じ。ネット前の球は常にロブ、相手のクリアはクリアもしくはスマッシュで返すしかない。

10.スマッシュとスマッシュレシーブ能力
a. スマッシュは力強く、落下点にもこだわっている。相手スマッシュは際どいコース以外は正確に四隅にレシーブできる。
b. 力強いスマッシュを打てるが、コントロールを意識したことがない或いはノーコン。レシーブは返せるが、落下点をコントロールできない。
c. スマッシュは弱く、ラインオーバーやネットにかけることが多い。相手のスマッシュを返せるかは運しだい

11.ダブルスにおいてペアとの息を合わせる意識
a. ペアと息を合わせる意識が高く、誰とでも合わせられる。
b. ドロップを打ったら前後に、ロブをあげたら左右にポジションすることを知っている。
c. ペアのことなどお構いなし。お互いのラケットがヒットすることもしばしば

12.怪我・故障防止の方法、水分補給・休息の目的
a. それぞれの重要性を知っており、実践できる。
b. 準備体操をよく行う。無理な捕球や危険なプレーを避ける。
c. バドミントンでもテニス肘になることを知らない。体育館についてすぐにプレーを始める。普通の服でプレーをし、靴も普通の運動靴。


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バドミントンMV - God of Badminton@Youtube






God of Badminton (バドミントンの神様) というタイトルのYoutube動画をみつけ、つい見入ってしまった。この動画、リンダン(中国名:林丹)のスーパープレーをつなぎ合わせた15分のクリップなのだが、音楽のセレクトといい非常によくできている。バドミントンファンなら時間を忘れて見入ってしまうこと間違いなし。お勧めです。



なお、ビデオクリップ中の曲名は下記のとおり
1. 映画「INSEPTION」の導入曲?(ハンス・ジマー)
2. requiem for a tower (ロードオブザリングの同じく導入曲)
3. 映画「アバター」のミックス


    


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