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2013年6月の記事

トッププロのダブルスの技術その1 ~ 前衛後衛のスイッチパタン






Dbls


いつもはシングルスのことを書くのだけど、たまにはダブルスのトッププロのスーパープレーを紹介したい。


ダブルスの試合でスマッシュで攻めていたのに、クロスレシーブでカウンターを受け、エースとなってしまった経験のある人は多いだろう。その対処方法をつきつめた形が今回紹介する「前衛後衛のスイッチ(交代)」だ。


いつものとおり連続写真をもとに説明する。


ケース1

Dbls

奥側の赤いユニホーム選手に注目してみる。片面コートからのストレートスマッシュを手前青色選手がクロスレシーブで切り替えす場面。ここで前衛がそれを見越してバックステップ(この場合3ステップと長い移動)で、前衛から一気に後衛に下がり、攻撃を続ける。さきほどまでスマッシュを打っていた選手は相方のスマッシュ移行を目で確認してゆっくり前衛に切り替える。


仮に前衛がこの場面で、クロスレシーブを予期しなかったら、スマッシュを打っていた選手が取りに行くため、低い打点でクリア返球するしかない。そのクリアは攻守の交代を意味する。これではダブルスの最大の武器である攻撃を手放すことになってしまう。


スマッシュで攻めている時、前衛は常にクロスカウンターに準備する必要がある。特にスマッシュが速ければ速いほどカウンターはエースになりやすい。そのため前衛はクロスレシーブはすべて前で潰すという気概が必要だ。


そうすれば下記のようなポジショニングになるのは自明だ。

1. ネットに張り過ぎない(後衛に移動するかもしれない)
2. 片面に張り過ぎない(クロスがくるかもしれない)
3. つまり「やや」センターとなる

「やや」というのはレシーバーとクロス方向隅を結んだ線上が、センターよりはスマッシュを打った側に寄っているためだ。


ケース2

クロスレシーブが低くて速いカウンターの可能性ある。それが次の連続写真だ。

Dbls2


この場合も、攻撃側前衛(青)がクロスカウンターを予期しており、低くて速いカウンターでも落ち着いてネットで叩くことに成功している。今回は前衛・後衛のスイッチは不要。


ケース3

つづいてその発展。断続的スイッチスマッシュ

Dbls3

奥側(青)が断続的に前衛・後衛をスイッチしているのがわかる。これも防御側が左右に振っても攻撃の手は緩まることがない。ここまでできるようになるには、相方との相性やレベルバランス、そして信頼関係が必要だ。


今回紹介したプレー技術はやや強引とも捕らえかねないため、相方ラケットやボディの衝突もあり危険である。しかしダブルス上級を目指すには必須の技術だ。


後衛選手も前衛が下がることを予期して落ち着いて次のポジショニングに移行したい。決してシャトルに集中しすぎて攻撃を続けてはいけない。相方が下がったなら相方を信じよう。


なお、スイッチが無理の場合は後衛を信じるしかないが、低いクロスカウンターのレシーブは前衛が「絶対抜かせない」という気概は必要。スマッシュが速ければ速いほどカウンターは決まりやすいからだ。


以上。今回はダブルスの前衛・後衛スイッチのパタンを確認した。


なお今回連続写真切り出しに使用した試合は2012年全英オープン男子ダブルス決勝 中国のCai Yun(カイ・ユウ)/Fu Haifeng(フウ・カイフン) VS 韓国のLee Yong Dae(イ・ヨンデ)/Jung Jae Sung(ジュン・ジェサン)だ。こちらも是非みていただきたい。



2012 全英オープン Badminton md final CAI/FU vs JUNG/LEE



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グッドバイ ミスターバックハンド タウフィック・ヒダヤット引退






Taufik02


今年の自国で開催されるインドネシアオープンを最後に引退を表明していたタウフィック・ヒダヤット(32歳)は、6月12日一回戦の相手であるSai Praneeth(インド)に1-2で敗れ、18年にも及ぶのプロ選手生活に終止符をうった。


今大会、ピーター・ゲードを欠いたバドミントン界の四天王(リン・ダン、リー・チョンウェイ、タウフィック・ヒダヤット)は、綺麗にトーナメントブロックに集まった。まるで引退セレモニーのために神様が仕組んだかのようだった。初戦の相手はリンダン、そして2回戦ではリーチョンウェイとあたる。誰もがその最後の対決を望んでいた。


しかしリンダンはまたしても棄権し対決は実現しなかった。(リンダンは昨年五輪以降、一切の公式戦を棄権しており、いい状態ではなかったのは事実だろうが、やはり二人の間には埋まらない何かがあると思ってしまう。)


ヒダヤットの前に現れたのはランキングも彼よりずっと低い若きインド人プレーヤー、サイ・プラニース(Sai Praneeth)だった。サイを破れば宿敵であり友人でもあるリーチョンウェイとあたる。しかしヒダヤットはその格下相手に敗れた。昨年のピーター・ゲードの引退試合のような華々しさを期待した私も含め多くのヒダヤットファンは、あまりのあっけなさに呆然とした。


かつて多くの人を魅了した天才的なゲームメーカー、繊細なネットプレー、超高速スマッシュ、そしてバックハンド。。。天才であるがゆえにコート上ではやや傲慢な面を持ち、コート外でも暴力行為や女性問題など「問題児」として様々なスキャンダルを抱えていた。その負の面をもってもあまりある魅力をもったスター選手はまさに100年に一人の逸材。その彼の引退はとても寂しい限りである。


Taufik01


オリンピック2000年大会で敗退し、その4年後アテネで金メダルをとったときのヒダヤットの回想インタビュー

「そう、俺は泣いたんだ。どうして負けたのか信じられなかった。また4年も待たなければならない。俺はすでに頂点にいるんだ。一番なんだ。それなのになぜ負けたんだ。その後の数日間、ずっと思い続けてる。ただの試合のひとつに過ぎない。誰だって勝つし、誰だって負けるんだ。負けた後、リラックスしたいんだ。狂ったようにパーティをし歌を歌い、あの試合を忘れたい。試合も見たくない。毎日外に繰り出し、あの試合を思い出さないようにしたんだ。でもバドミントンをあきらめようと考えたことはないんだ。なぜなら人生の目標はオリンピックなんだから」



Badminton 2006 Asian Games MS Final [対リンダン]



All England 2010 [対ピーターゲード]



2005 Badminton World Championships MS SF [対リーチョンウェイ]



Taufik Hidayat - Natural Badminton



ヒダヤットが最後の試合で使用したラケット ヨネックス アークセーバー11


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◆ バドミントン界の四天王の一人、ピーターゲード引退

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